舟状骨疲労骨折の一症例

こんにちは 

舟状骨の疲労骨折は症状は曖昧な訴えで、愁訴が一定しないので非常に判断が

難しく、MRIの画像検査で確定診断されるケースが多いです。

この骨は血流が悪く、癒合が遅く偽関節が危惧されるので、慎重に扱う部位になります。

前脛骨筋と長母趾伸筋腱の間のN-spotに圧痛があれば疑いますが、もう少し足首側を訴えるケースも

有ります。また、この舟状骨疲労骨折は短距離選手や跳躍選手に多発する傾向にあります。

原因はオーバーユースという理由も有りますが、disuse(誤った身体の使い方)も有ります。

動作を改善する事も大切です。部活動の先生方に部員の疲労骨折の説明をすると、少なくとも

怪我をさせてしまったという責任を感じる顧問の先生の雰囲気をよく感じます。

overuse<disuseの観点から見てもらえたら、再発予防に繋がると思います。

 

 

患者さん15歳男性・高校1年生 跳躍選手

特に骨を押さえての圧痛はありませんが、爪先立ちをすると力が抜ける。ジョギングでN-spotの

やや上側が痛い。という訴え。

外傷の既往歴はないが、中学生の頃からここが痛いとの事で、骨挫傷や軟骨損傷や疲労骨折を

疑い、エコーの観察をしてみました。

画面中央の白いラインが舟状骨ですが、凹凸が激しいのは長母趾伸筋下は健常者にもある事で

す。気になるのは、骨の表面が黒く写るのは骨膜の浮き上がり=水腫がある事で骨皮質が通常より

光って見えてる事です。音響増強が起こっている=後光サインは疲労骨折を危惧する所見です。

 医師に紹介しMRI検査で疲労骨折と診断されました。舟状骨疲労骨折は過去に見落とした例が

あり、慎重に対処できた教訓的な一症例でした。

当院のライプス(低出力超音波治療器・20分250円)で現在、患部の回復を促進中です。