リスフラン関節損傷の保存療法の一症例

ご無沙汰しております。 8月に珍しいリスフラン関節損傷の方を診させて頂きました。 試合中のハードル走でリード脚(振り上げ脚)の着地の際に受傷した高校生・男子です。 医科のレントゲン検査では足首の捻挫と診断されて、後に当院に来られました。 当院でも内反捻挫の施術をし、10日経過するも痛みに改善がみられないのでエコーの観察 をしてみました。 リスフラン関節(靭帯)とは赤い〇で記した場所です。第2中足骨は長く足根骨に「コの字型」に 入り込んでおり、可動性の少ないところですが、足の縦アーチの頂点に近くで大切な部位です。 第2中足骨を上下や外側に動かすと不安定性がありました。

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レントゲン検査ではこのように骨どうしが開いて写る場合に疑われ、3~5mm以上開くとオペが必要 と言われています。※この画像は患者さんのものではありません

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エコーの観察では、以下の通りです。 健側⇒患側⇒患側開大部の距離の順番です。 きつ状骨の上に足背動脈の拍動が観察出来ます。 健側患側比較では靭帯の腫れの差があり、内側きつ状骨と第2中足骨の開大の差が明らかで、2.9mmの開きが有りキャストシーネ固定を3週間しました。 3週間の固定をしっかり出来ましたので、 開大部の広がりが少し狭まりました。2.9mmから1.7mmに改善です。

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3週間の固定とLIPUSにより、靭帯の腫れと開大は1mm程度減少し、痛みの出ない運動(jogなど)を許可しました。 最近来られて6~7割のスピードでのランニングは出来ているとの事で安心しました。リスフラン関節は治りの悪い部位です。 また、経過報告します。